
近年、新しいがん化学療法薬や免疫療法薬の開発が進んでいます。また、副作用症状をコントロールする技術も着実に進歩しており、現在では外来でも安全に治療を行うことが可能となっています。患者さんが仕事や趣味、それぞれの役割を続けながら治療をうけること、つまり「治療をうけながらもその人らしく生活できること」、それが外来化学療法の最大のメリットです。
*病床数:31床 (ベッド:5床、リクライニングチェアー:26床)
*診療時間:月曜日~金曜日 (病院診察日), 9時~17時 (以降、治療終了まで)
がん治療を行うすべての診療科のがん薬物療法が行われています。患者さんが安心して、かつ安全・確実に外来での治療が継続できるよう、医師・看護師・薬剤師などによるチーム医療を提供しています。センター内にはラウンジ、更衣室、鍵付きロッカー、男女別トイレ(オストメイト対応)などを設置しており、安心して治療を受けられるように配慮をしています。また、各治療ブースにはテレビ(無料)が設置されていること、治療中の飲食も可能であることなど、できるだけリラックスして過ごすことができる環境を整えています。
5年以上のがん薬物療法の経験を有する専任スタッフが配置されており、各職種の専門性を活かしたチーム医療に取り組んでいます。
〔 化学療法センター 専任スタッフ一覧 〕
職種 | 人数 | 資格等 |
医師 | 1名 | |
薬剤師 | 2名 |
がん薬物療法認定薬剤師:2名(のべ) 外来がん治療専門薬剤師:1名 |
看護師 | 8名 | がん薬物療法看護認定看護師:1名 |
■ レジメンとは ■
レジメンとは、がん薬物療法における抗がん薬、輸液、支持療法薬(吐き気止めなどの副作用対策)の種類や量、投与スケジュール、手順などを組み合わせた時系列的な治療計画書のことです。当院では、院内の「レジメン委員会」の承認を経て、がん薬物療法薬を適正に使用するためのレジメンを管理、運用しています。化学療法センターにおける治療は、すべてレジメンに則って実施されており、安全・確実・安楽な治療を提供しています。
■ 保険薬局の方へご案内 ■
ホームページでは、院内の「レジメン委員会」で承認されたレジメンを医療関係者対象に公開しています。患者さんの指導等にご活用ください。
治療中は、一般的な副作用症状以外にも過敏反応や血管外漏出(薬剤が血管外に漏れること)など、早急な対応が必要となる有害事象が生じてしまう可能性があります。化学療法センターでは、そのような有害事象の早期発見に努めるとともに、発症時には各種院内マニュアルに則って、多職種連携を図り早急な対応を実施しています。このような取り組みにより、安心して治療を受けていただける環境を整えています。
過敏反応等の緊急時には全身状態の経過観察および治療等を目的として、入院が必要となる場合があります。そのような場合には、主治医(各診療科医師)の指示の下、速やかに入院ができる体制を整えています。不安が大きい中での入院となりますが、患者さん・ご家族ができるだけ安心できるようサポートに努めています。
ご帰宅後の副作用症状やさまざまな質問に対し、化学療法センターの専任薬剤師や専任看護師が電話での相談をお受けしています。副作用症状への対処方法、不安、疑問などがありましたら、ぜひご活用ください。また、外来受診時にも同様に、対面での相談にも対応しております。
なお、夜間・休日は救急外来での対応となりますことをご了承ください。
【対応時間帯】平日 8:30~17:00
上記以外の時間帯(夜間・休日)は救急外来で対応する体制を整えております。
まずはお電話でご相談いただき、状況に応じて救急外来受診をご検討下さい。
【連絡方法】029-830-3711(代表)
電話口の職員に「外来で抗がん剤治療中です。 相談があります。」 とお伝えください。
その他詳細はオリエンテーション時にお渡しした、オリエンテーションパンフレット内の<病院に連絡が必要な状況>の内容をご確認ください。
がん相談支援センターと連携し、治療と就労の両立に必要な情報提供を行っております。
さらに、がん相談支援センターでは、外部の専門職種による相談会を以下の日程で開催しております。相談は予約制ですので、化学療法センタースタッフへお声かけいただくか、もしくはがん相談支援センターにお問い合わせください。
〔 相談会の開催日程 〕
対応職種 | 開催日時 | 相談内容 |
社会保険労務士 |
毎月第4水曜 |
おもに 仕事や社会保険制度に関する相談 (例) ・職場にがんであることをどう話したら良いか。 ・仕事に復帰するか迷っている。 ・傷病手当金や年金などの制度について知りたい。 |
出張ハローワーク |
毎月第2火曜 |
おもに 就職に関する相談 |
■ アドバンス・ケア・プランニングとは ■
もしものときに、どこで・どのような医療やケアを望むのかについて、ご自身で前もって考え、家族や周囲の信頼する人、医療従事者たちと繰り返し話し合い、共有することをアドバンス・ケア・プランニング(ACP)といいます。
■ 11月30日は「人生会議の日」 ■
厚生労働省は11月30日(いい看取り・看取られ)を「人生会議の日」とし、人生の最終段階における医療やケアについて考える日としています。
「人生会議」ロゴマーク 厚生労働省ホームページより
■ 繰り返し考え、話し合いましょう ~私たちもお手伝いします~ ■
話し合いの進め方の一例 (厚生労働省ホームページより)
①あなたが大事にしていることは何ですか?
②あなたが信頼できる人はだれですか?
③信頼できる人や、医療・ケアチームと話し合いましたか?
④話し合いの結果を大切な人たちに伝えて共有しましたか?
今の気持ちは変化するかもしれません。気持ちが変わったら、何度でも繰り返し考え話し合うことが大切です。アドバンス・ケア・プランニングについて分からないこと、知りたいことなどがありましたら化学療法センタースタッフやがん相談支援センターにお声かけください。