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医療トピックス

花粉症とは

2008年10月01日 (水)

春めいてきました。杉花粉症でお悩みの方も多いと思いますが今回は耳鼻科の君塚先生に花粉症一般についてお聞きしてみました。

花粉症とは

体内に異物が入ると免疫反応が起こります。少量で回数が少なければ反応は軽度ですが、反復するうちに徐々に反応が強くなります。これがアレルギーであり、原因となる物質を「抗原」、体内に生じる抗原に反応する物質を「抗体」といいます。アレルギー性鼻炎は抗原の吸入により起こる鼻粘膜の反応であり、花粉を抗原とする季節性のものは花粉症と言われます。花粉症の原因となる植物は季節、地域により様々ですが、春先のスギが代表的です。また、ほこり(ハウスダスト)やダニ、カビ、ペットを原因抗原として生じる通年性のアレルギー性鼻炎もあります。

花粉症の症状

アレルギー性鼻炎の症状としては(1)くしゃみ(2)水様の鼻汁(3)鼻づまりが代表的ですが、花粉症には(4)眼のかゆみ(アレルギー性結膜炎)が加わります。

花粉症の検査

  • 問診・視診
    病歴上は毎年同じ時期に上記の症状を生じるという特徴があります。
    視診上鼻粘膜は蒼白に見えます。これは鼻粘膜において白血球の一種である好酸球が増殖するためです。
  • 血液検査
    それぞれの抗原に対する抗体を測定することによりアレルギーの強さを数値化することができます。現在最も広く行われている検査と言えるでしょう。
  • スクラッチテスト
    抗原を含んだ液体を皮膚に滴下し、注射針の先端で引っ掻き(スクラッチ)皮膚で生じる反応を調べます。数分で結果がわかるのが利点ですが、 皮膚を表面のみとはいえ傷つける必要があること、反応の強さが大まかにしか把握できないといった欠点もあります。

花粉症の治療

  • 原因抗原の回避
    室内に入るときには服を払う、掃除をこまめに行う、外出時にはマスクをするなどなるべく抗原を吸入しない工夫です。最も簡便で安全な手段です。
  • 薬物療法
    最も一般的な方法です。抗ヒスタミン剤は即効性があり効果も強いですが、時に眠気を生じることがあります。発症前に内服を開始すると発症時の症状がやや軽くなると言われています。抗ロイコトリエン剤は眠気を生じることはありませんが、効果出現までに通常3~4週間を必要とするため発症後の使用には適しません。重症の方にはステロイドを含む薬剤を使用することもあります。これらの薬剤は妊娠中の方には使用できず、授乳中の方の使用にも注意を要します。
  • 減感作療法
    アレルギーの原因抗原を繰り返し注射することにより体質を改善する方法です。少量から開始し、徐々に抗原の量を増やしていきます。有効性は高いですが、アレルギーの原因抗原を注射するという特性上まれにショックなどの重症な合併症を引き起こすことがあります。
  • 手術療法
    レーザーなどで鼻粘膜を焼灼したり、鼻粘膜を切除したりして鼻呼吸を改善する方法です。主に薬物療法が無効な方に対し行われます。
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