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神経因性膀胱・尿失禁

膀胱は尿をためたり排出したりする臓器です。膀胱に分布する神経の障害が原因でうまく膀胱が機能できなくなる状態を神経因性膀胱と呼びます。膀胱に分布する神経は、大脳より脳幹部、脊髄そして膀胱へと長い道のりをたどります。この経路のいずれが障害されても神経因性膀胱となります。そのため神経因性膀胱の原因となる疾患はさまざまであり、障害される部位によって症状も異なります。

正常では普段の生活の中でとくに意識しなくても尿意を感じてトイレに行くまで尿を我慢し排尿することができます。これができずに意に反して排尿してしまう状態が尿失禁です。尿失禁にはいくつかの種類があります。女性に多い腹圧性尿失禁、尿意を感じるとトイレまでがまんできない切迫性尿失禁、膀胱が尿でいっぱいになったために溢れ出てしまう溢流性尿失禁、排尿機能には問題が無くてもトイレに行くのに時間がかかりすぎて漏れる機能性尿失禁、そしてこれらの原因が複雑に絡み合う混合性尿失禁などで、それぞれ治療法が異なります。

これらは患者様にとって生活の質(quality of Life;QOL)を妨げる病気ですが、重症になると膀胱から出せなくなった尿が腎臓にたまって水腎症から腎不全、または尿毒症に至り生命を脅かす原因になることもあります。 治療の目的は腎機能の保持と患者様のQOLの維持です。当科では、問診や排尿記録日誌、尿流量測定、残尿測定、膀胱内圧測定、レントゲン検査などで排尿状態を詳しく分析しています。これらを元に治療として生活指導、内服薬、自己導尿指導、手術療法などの方法を組み合わせて適切な排尿状態を保ちながら、排尿管理・指導を行っています。

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