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用語集 Glossary 用語集Glossary

てんかんセンター

茨城県唯一のてんかんセンター

 当院は東京医科歯科大学との連携のもとに、全国てんかんセンター協議会(JEPICA)登録のてんかんセンター(http://epilepsycenter.jp/)として機能しています。普段は、小児科、神経内科、脳神経外科が協力しててんかん診療にあたっています。また、夜間・休日の痙攣発作にも救急科・内科の協力のもと、24時間、365日体制で対応しています。高度なてんかん診療に関しては、第1・3金曜日午後に東京医科歯科大学脳神経外科 前原健寿教授(てんかん及び脳波専門医。http://www.tmd.ac.jp/med/nsrg/index.html)がてんかん専門外来を開いています。これ以外の曜日でも受診は可能ですし、必要とあらば、前原教授に随時相談しています。

てんかんと当院の検査・治療について

てんかんは、決して稀な病気ではなく、100-200人に1人は持っていて、その発症時期も赤ん坊から高齢の方までと年齢も幅が広いことが特徴です。脳の神経細胞のなんらかの異常が原因ですが、それが検査でわからないこともあります。症状も、手や顔の部分的な痙攣から全身の痙攣、急に倒れる、一時的にボーっとして口や舌を不自然に動かす、などさまざまな症状を出す病気です。その症状の複雑さから、てんかんだと気が付かない場合や、実はてんかんではないのに抗てんかん剤を処方されているといったこともあります。
 当院では、まず、発作形式などの詳しい問診を行い、外来で脳波検査、MRI (機能的MRIも含む)、SPECT検査(非発作時)などを行います。さらに詳しい検査が必要と判断した場合は、入院のうえ、ビデオ脳波検査や発作時のSPECT検査、ワダテスト、神経心理検査などを行います(PET、脳磁図(MEG)については提携病院に依頼し施行しています)。
 上記の検査を繰り返し行うことで診断を行い、適切な抗てんかん薬を選択し、発作のコントロールを行います。てんかんの治療は内服薬が基本ですが、難治性の場合には手術を考慮します。特に小児の難治性てんかんの場合には、発達障害を極力防ぐために、適応があれば早めに手術を行ったほうが良いとされています。
 てんかんの外科手術には、大きく分けて根治手術と緩和手術があります。根治手術とは、脳波やMRIなどの検査で特定されたてんかんの源(焦点)を切除することで、発作の消失を目指す手術(絶対に無くなるという意味ではありません)です。また緩和手術とは、発作頻度を減らすことでより良い生活を送れるようにする手術です。それぞれの患者さんの発作の形式や頻度、状態などに会わせて適切な手術方法を選択しています。

<根治手術>

●焦点切除術
 海馬硬化症、海綿状血管腫、皮質形成異常などMRIなどの画像検査で異常が見られ、その部位がてんかん発作の源(焦点:発作の原因となっている場所)と判断された場合、その部分の切除=焦点切除術を行います。

●電極留置術および焦点切除術
 MRIなどの画像検査で明らかな異常が認められないときや、頭皮の脳波(外来でやっている脳波検査)で焦点(発作の原因となっている場所)が確定できない場合、脳の表面や脳内に電極を置く手術を行うことがあります。直接、脳表(神経細胞のすぐ近く)の脳波を記録することで、焦点をよりはっきりさせることができ、その部分の切除により発作を改善させる手術です。

<緩和手術>

●迷走神経刺激装置(VNSシステム)植え込み術
 2010年7月に日本で認可された手術です。首を縦走する迷走神経を刺激すること(心臓のペースメーカーに似ています)で、てんかん発作を減らす治療です。脳そのものの手術ではなく、傷も小さく、体の負担が少ないことが特徴です。図のような機械を左胸の皮膚の下に埋め込み、首の奥の神経に電極を巻き付けます。但し、電池寿命が永久的ではなく、5-6年毎の交換が必要です。
●失立発作に対する脳梁離断術
てんかん発作の一つに、失立発作という急に転倒する発作があります。この発作を持つ方は、転倒時に意識がなく無防備となるため、頭のけがや骨折など重症な外傷を繰り返し受けることがあります。このような発作の頻度を減少させるのに有効と言われているのが脳梁離断術です。左脳と右脳の間を結ぶ脳梁を離断することで発作の波が一気に脳全体に行き渡ることを抑制し、無防備に転倒することを防ぐ手術。
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