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下肢静脈瘤

 下肢の静脈血流は重力に逆らって下から上に流れるため、逆流を防ぐ一方向弁がたくさんあります。しかし長年の立ち仕事や妊娠などの腹圧の上昇、肥満や炎症などで弁の機能が悪くなり、50歳代では半数の人には逆流が出てきます。徐々に進行して、主に下腿部の表面の静脈が膨らんで見られるようになるのが、一般的な静脈瘤です。他に皮膚表面の細い静脈が拡張して、網目状やクモの巣状になるものもあります。

 美容上(見た目)の問題もありますが、立っているとむくみや疲れがひどくなり痛くなる、寝ているとき朝方にふくらはぎが痙攣するなどの症状が出てきます。さらに進行すると皮膚炎や皮膚潰瘍ができて、皮膚科での治療だけではなおらない状態になります。

美容上の問題も含めて、症状が気にならない程度なら治療の必要はありません。軽度の症状はふくらはぎを適度に圧迫する弾力ソックスなどによる圧迫療法や足の運動、マッサージなどで改善します。症状が気になって治したいと思う場合や、悪化してきた場合は外科治療を考えます。

当院では高周波による血管内焼灼術(カテーテル治療)を行っています。これで原因となる静脈の逆流を止め(以前は静脈抜去術でした)、さらに膨らんで目立つ静脈瘤は適宜2-3mm程度の小さな傷から切除します。翌日に合併症(深部静脈血栓)がないことを確認する必要がありますので、原則的に一泊入院で行っています。

軽度の静脈瘤は外来での硬化療法(薬剤の注射で静脈を固めます)も行っています。

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