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頚動脈内膜剥離術 頚動脈ステント留置術

頚部の頚動脈が中等度(50%)以上狭くなっている患者様の場合、欧米の大規模な臨床研究で血行再建術を受けた方が内服治療のみの方よりも脳梗塞の発生率が低くなることが実証されています。特に70%以上頚動脈が狭くなってしまい一過性脳虚血発作や軽い脳梗塞を起こした患者様の場合、内服治療では2年間に26%の患者様が脳梗塞をおこしてしまうのに対して、頚動脈内膜剥離術を受けた患者様ではその危険性が9%まで下がるとされています。また、脳虚血症状のない方でも、頚動脈が60%以上狭くなってしまっている場合には頚動脈内膜剥離術を受けられた方が脳梗塞をおこしてしまう危険性が低くなるとされています。頚動脈内膜剥離術とはコレステロール等が沈着してしまった頚動脈の壁の病的な部分を取り除いて、動脈硬化のために狭くなってしまった頚動脈を拡げて血流を改善する方法です(図3)。しかし、頚動脈が狭くなってしまった患者様は高齢なことや全身的な病気(糖尿病や虚血性心疾患など)を持たれることが多く、手術が危険な場合があります。そのような場合には血管内治療(ステント留置)を用いることで比較的安全に頚動脈を拡げて血液の流れをよくすることができます(図4)。ステントとは金属のメッシュで作られた円筒径の器具で心臓の血管等で広く使われてきており、近年は頚動脈や頭蓋内の血管にも用いられるようになってきています。この方法は血管の中に留置したステントと生体が反応してしまい、一定の確率で再び頚動脈が狭くなってしまう危険性があります。しかし、今後素材の改良や薬剤の塗布・埋め込みなどで問題点が解決されると思われます。当施設では脳動脈瘤の場合と同様に個々の患者様に適した方法を選択し、良好な成果を得ています。また、頭蓋内血管の狭窄に対しても積極的な治療を行なっています。

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