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脳動脈瘤 / くも膜下出血

脳動脈瘤は破裂によりクモ膜下出血や脳内血腫をおこす疾患です。脳動脈瘤ができる原因の詳細は未だ不明ですが、脳の動脈が枝分かれしたり合流する場所で何らかの原因で弱くなった(脆弱化した)動脈の壁に動脈の圧力がかかってその部分が膨れてできるとされています。

多くの場合は遺伝しませんが、遺伝的な素因が関係することもあります。破裂(出血)するとクモ膜下出血や脳内出血となります。クモ膜下出血の典型的な症状は“これまで経験したことのない”激しい頭痛が突然おこり、吐き気を伴います。多くの場合意識が一時的にせよ障害されます。破裂はほとんどが瞬間的なものですが、その際に20-30%の方は命を失われることになります。

クモ膜下出血の重症度は意識障害の程度で判断でき、軽症の場合90%が病前の生活に戻ることができるのに対して、重症な場合にはその確率は35%まで下がってしまいます(2003年~2005年の当施設での成績)。

破裂した動脈瘤の壁は薄くなっているので、再出血を防ぐ手術を行なわないと出血を繰り返すことになり生命の危機にさらされます。また、破裂した動脈瘤の治療を行なっても、クモ膜下出血の後は数日してから血管が縮んでしまうことがあり、約20%の方で脳に十分な血液が循環しなくなってしまう合併症(症候製血管攣縮)があります。

このような理由から、当施設では出血していない(未破裂)動脈瘤が脳ドックなどでに見つかったときには積極的に動脈瘤の治療を受けられることをお勧めしています。動脈瘤の手術には開頭して動脈瘤の根元(頚部)に金属製のクリップをかける方法と、血管の中から動脈瘤の中にプラチナ製のコイルを入れる方法、近年はステントを用いた方法があります。共に長所と短所があり、当施設では動脈瘤の場所や形、全身的な状態を考慮して手術方法を選択しています。

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