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慢性呼吸不全

慢性呼吸不全

 あらゆる呼吸器疾患は、病気の進行や、病気に加齢に伴う肺機能低下が加わることにより酸素交換が不十分となり、酸素欠乏状態(低酸素血症)を来たす可能性があります。低酸素血症を放置すると肺動脈圧が上昇し、心臓の負担が増えるため、心不全を来たし、さらに悪化していきます。しかし、酸素吸入に より低酸素血症が改善すると、心臓の負担が減り、生命予後も改善されることが明らかになっています。当科では、呼吸困難などの自覚症状がなくても、低酸素血症が続いている方、心不全症状(下肢のむくみなど)がある方には、酸素吸入(在宅酸素療法)をお勧めしています。もちろん、酸素吸入を始めるからと言って、酸素がないと息ができなくなるというわけではありません。酸素吸入は、よりよい生活を行うために行うと考えて頂ければと思います。

 また、呼吸の力が弱く酸素吸入のみではよくならない場合には、マスクによる人工呼吸器療法(NPPV)も行っています。夜間のみの人工呼吸でも、入院回数、入院期間の減少など劇的な改善をしばしば経験します。

 これらの治療を行っても感冒などの呼吸器感染や特別の原因がなくても呼吸状態が悪化することがあり、緊急の治療が必要になることがあります。呼吸器感染の予防には、うがい、手洗いに加え、インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチンの予防接種をお勧めします。また、体温や酸素飽和度のチェック(御希望があれば在宅酸素の会社から購入可能です)により病状の変化を早期に発見することも重要です。

 

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