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慢性 C 型肝炎に対する治療について

わが国での C 型慢性肝炎の患者さんは、肝炎症状のない持続感染者を含めると
150万~200万人いると推測されています。 C型肝炎ウイルスは血液を介して感染し
ます。現在わが国の感染者の多くは、C 型肝炎ウイルスが発見される前の輸血や血
液製剤、あるいは注射針が使い捨てになる前の注射針の使い回しなどで感染したも
のと考えられています。C 型慢性肝炎は軽い肝炎のまま経過する場合もありますが、
約 7 割は徐々に病気が進行し、治療しないと 10~30 年でその 3~4 割が肝硬変、さ
らに肝がんに進んでゆくといわれています。

肝炎ウイルス感染の有無は、まず C 型肝炎ウイルス抗体を測定し、抗体が陽性の
場合はウイルスの有無を調べます。ウイルスが陽性で肝蔵由来の酵素が上昇してい
れば C 型慢性肝炎と診断されて治療することになります。

C 型肝炎ウイルスを体から排除するためにはインターフェロン中心の治療を行いま
す。 週 1 回投与するペグインターフェロンと高ウイルス剤のリバビリンの併用療法が
主体です。従来インターフェロン単独療法が効きにくいとされていた患者さんでも併用
療法で 48 週間治療すると 50%から 60%でウイルス排除効果が得られ、インターフェ
ロンが効きやすい患者さんでは併用療法で 24 週間治療すると、約 90%でウイルスが
排除されました。治療の副作用として初期には発熱、全身倦怠感、頭痛、関節痛など
が、中期には倦怠感、食欲不振炎、脱毛などがみられます。不眠、視力障害、動悸等
の症状が出現した場合には治療を中止する必要性な場合もあり注意が必要です。

インターフェロン治療を受けると、ウイルスが排除されない場合でも肝硬変への進
行が遅くなったり、肝癌ができにくくなる効果も認められています。
平成 20 年 4 月からB型及びC型肝炎のインターフェロン治療に対する医療費助成も
開始されています。

年齢や合併症によりインターフェロン治療の対象とならない場合には、肝炎の沈静
化を目的としてウルソデスオキシコール酸や小柴胡湯などの内服およびグリチルリチ
ン配合剤の注射が主に使用されます。

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