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肝胆膵外科

肝臓癌

肝臓がんには原発性肝癌(はじめから肝臓にできる癌)と転移性肝癌(他臓器の癌が肝臓に転移したもの)に分けられ、原発性肝癌はさらに肝細胞癌と胆管細胞癌に分けられますが、一般に肝臓癌といわれているものの多くは肝細胞癌です。

肝細胞癌

本疾患は年々増加傾向にあり、臓器別死亡数でみると男性で第3位、女性で第4位を占めています。肝細胞癌はB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスによる慢性肝炎、肝硬変を基盤として発生することが多く、ご自身が肝炎ウイルスに感染しているかを知っておくことは肝臓癌の予防や早期発見に大変重要です。

肝細胞癌に対する治療には、癌の部分を切り取る肝切除法、癌を焼いて死滅させるラジオ波焼灼療法、癌を養っている動脈を詰める肝動脈塞栓療法などがあります。
それぞれの治療法には長所短所があり、当院では外科、内科、放射線科の医師が合同でカンファランスを行い、それぞれの患者様に最も適切と考える治療法を提示しております。
当科でも2002年より約200例の肝切除を施行しており、術後約2週間程で退院となっています。また最近では肝臓辺縁にある小型の肝癌に対しては小さな傷でカメラを用いて行う腹腔鏡下肝切除も行っており、術後の痛みも少なく10日前後で退院されます。

胆管細胞癌

原発性肝癌の3-5%を占め、肝細胞癌に比較して発生頻度は低率ですが、予後は肝細胞癌より不良です。肝細胞癌と異なり、ラジオ波焼灼療法や肝動脈塞栓療法等は無効で、抗がん剤治療についてもいまだ適切な治療法が確立されておらず、外科的切除が根治の期待できる唯一の治療法です。
本疾患は正常肝に発生し、肝機能は良好ですので、当科でも安全性の許す限り積極的に手術による根治療法を目指しております。

転移性肝癌

他の臓器に発生した癌が肝臓に転移したもので、特に大腸癌、胃癌、膵臓癌からの転移が多くみられます。転移性肝癌では原発臓器の癌(大腸癌や胃癌)の診断と同時に発見されたり、原発臓器の癌の術後に出現し発見される場合があります。大腸癌では特に転移が肝臓に限局した場合、外科的切除によって30-40%の患者様で根治が期待できます。

膵臓癌

膵臓癌は癌の死亡原因の第5位で、近年増加傾向にあります。現在でも早期の段階で診断するのは困難で、多くは進行癌の状態で発見されます。症状は、腹痛、背部痛、体重減少、黄疸などさまざまな症状を呈します。また中年以降に発症した糖尿病やもともとあった糖尿病が急に悪化した時は膵癌による症状の場合があり注意が必要です。
治療は癌の進行度や患者様の状態によって異なります。手術療法、化学療法(抗がん剤投与)、放射線療法の3つの治療法がありますが、根治の期待できる治療は手術療法です。手術は癌の発生した部位で治療法が大きく異なります。膵臓の右側(膵頭部といいます)にできた癌では、膵臓が十二指腸と接し、膵臓の中に胆管が走行していることから、膵頭部、十二指腸、胆管、胃の一部までの切除(膵頭十二指腸切除といいます)が必要となり、お腹の手術の中では一番侵襲の大きい(身体の負担が大きい)手術となります。当科で2010年度に施行した膵頭十二指腸切除術は26例で、県内でも手術症例数の多い施設の1つです。膵臓の真ん中から左側に発生した癌では膵臓の一部と脾臓の切除(尾側膵切除術といいます)となります。
当科では膵頭十二指腸切除術では術後2~4週で、尾側膵切除では術後2週間で退院となります。手術は最も効果の期待できる治療法ですが、進行癌が多く、術後に抗がん剤の投与を行うこともあります。また癌の状態によっては放射線治療や抗がん剤治療を優先することもあります。最近はジェムザールやTS-1といった抗がん剤が開発、保険適応となり治療効果も徐々に改善されています。

嚢胞性膵腫瘍

上述した膵臓癌と異なり、比較的予後の良い腫瘍で2種類あります。1つは粘液性嚢胞腫瘍(MCT)といい、比較的稀な疾患ですが中年女性に発生し悪性の可能性も高く、診断が確定すれば手術となります。
本症例は膵臓の左側にできることが多く、当科では腹腔鏡を使った小さい創で積極的に手術をおこなっております。もう一つは膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)といい、高齢の男性に多く良性の場合と悪性の場合があります。最近の画像診断の進歩により発見される症例が増加しております。良性と診断されても悪性に変化したり、上述した通常型の膵臓癌を合併したり、他臓器の癌を合併することも多く、注意深いフォローが必要です。

胆道癌

肝臓で作られた胆汁という消化液を十二指腸まで送る管を胆管といい、その途中にあって胆汁を一時貯めておく胆嚢と合わせて胆道といいます。
胆道癌には胆管癌、胆嚢癌、乳頭部癌(胆管の十二指腸開口部である十二指腸乳頭に発生する癌)があります。胆道癌は癌による死因の第6位を占めています。

胆嚢癌

胆嚢癌の危険因子として胆石があり、胆嚢癌に胆石が合併する頻度は50~60%です。しかし逆に胆石症に胆嚢癌が合併する頻度は2~3%のみです。
また膵胆管合流異常症という先天的な病気の患者様では20%に胆道癌が発生しますが、特に胆管拡張を伴わない膵胆管合流異常での胆道癌発生率は40~50%と高率でそのほとんどが胆嚢癌です。
胆嚢癌の治療は手術が一番の根治的治療となりますが、進行度により胆嚢摘出術ですむものから肝切除、膵頭十二指腸切除(膵臓癌の項を参照ください)を必要とするものまでさまざまです。

胆管癌

胆管は肝臓の中からはじまり、肝外にでて膵臓のなかを走行し十二指腸にある胆管開口部(十二指腸乳頭部といいます)に至ります。肝臓内の胆管から発生した癌は肝臓癌の項で述べた胆管細胞癌といい、胆道癌としての胆管癌は一般に肝外の胆管から十二指腸開口部までの胆管に発生したのもを指します。

胆管癌の症状として一番多いものは黄疸(目や皮膚が黄色くなる)で、癌のために胆管の通りが悪くなり、胆汁が停滞しておこるものです。皮膚や目の色が黄色いというだけでなく、尿が濃くなったとか便が白っぽいといった症状で気づかれることも多いようです。胆管は肝臓から十二指腸にいたる管ですので、発生する部位によって肝切除や膵頭十二指腸切除といった手術が必要となります。
胆嚢癌同様、手術が根治の期待できる治療法ですので、当科でも安全性の許す限り手術による根治療法を目指しております。また癌の進行度や広がりから手術が困難な場合や術後に癌が再発し手術の適応がない場合でも患者様の生活の質(Quality of Life :QOL)を重視しながら、抗がん剤治療や放射線治療を組み合わせて治療を行っております。

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